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私が見た、夢でもなく現実でもない世界

作者の言葉


作者 目次


体験談 斉藤勝也

私は子供の頃から不思議なビジョンを見ることがあった。
其れは決まって私の睡眠時に起こる現象だが、子供の頃はただ単に変わった夢だと思っていたが、10代後半くらいから、此れは単に夢では無いのではと気づきはじめた。
其れは確かに夢の様ではあるが、普通の夢とは違い触感や匂いや時には肉体の痛みまで感じることがある。
無論此れを夢だと定義すれば夢なのかもしれないが、だとしたら、私の夢には2種類の異なった夢があるのだと認識せざる得ない。
其れは決まって睡眠の浅い時に起きるのだが、まず最初に意識と共に私の肉体が何処かに引っ張られる感覚から始まる。
まだ比較的意識はしっかりしている状態だが、其れは大概が光りがあまり無い薄暗い世界なのだが、物や他人の肉体に触る感触は確実に存在している。
肉体の苦痛や快感が脳に確実に繋がる世界なのである。

夢でも無いとはいえ、その世界を視覚的に体験するのは、寝始める頃、まだ比較的睡眠の浅い頃だから、夢と言えば夢なのかもしれないが、普通の夢とは確実に違いがある。其れは普段私が夢を見てる時には、自分が今夢を見てるという意識は全く存在してないが、この幻夢とでもいうべき不思議な視覚的世界では、確実に今私はこのビジョンの中にいるという意識は必ずあるのだ!そして肉体的感覚もあり、匂いや痛みや快感を感じ取るのだ!
私は必ず深い眠りにつく前にこの種の曖昧な幻夢を見るのである。
幻夢を見た後は、必ず一度目が覚め、現実の意識に戻りだいたい30分くらいしたら、真の眠りにつくのが、私の長年のパターンである。
時間にしたら約10分から20分くらいである。
これから私は自分が見てきた夢でも現実でもない世界を、現実に戻った時の記憶をもとに再現してみます。
では皆様おやすみなさい!

創作 岩本正寧

ここに掲載したショートストーリーはすべて、斉藤勝也さんの, 現実ではないが夢とも言えない世界の体験、いわゆるバルドー(中陰)の世界のきわめて断片的な体験談を聞き書きし、それをもとに私が創作した作品です。斉藤勝也さんの体験談は、高い世界を示唆するようなビジョンが多く含まれていることに特徴があります。自然、話の内容は高度な世界へと入り込んでいく場合が多く、私はそこに自由に思想世界を構築し、楽しみながらいろいろなお話しを創作することが出来ました。話を考えながら私は気がついたことがあります。それは、世界中にある民間伝承、いわゆる昔話というものも、こんなふうにある断片的な非日常体験にさまざまな尾ひれを付けて一つのまとまったストーリーに仕立て上げたものではないかということです。単調な重労働の毎日に支配されていた昔の人は、そのつらさを忘れようとして、超自然的物語を考え出しては、労働の後それを披露していたのではないでしょうか。その中の傑作は近隣の村にも口伝えに伝わり、それらが今日でも良く知られている「笠地蔵」や「鶴の恩返し」といった民話になったのではないかと思います。そこには教訓的内容が含まれていることから、主に子供たちに聞かせたものと考えられます。私の作る話は民話より複雑で、教訓というよりは現代人の苦悩とともに東洋思想的な内容がふんだんに含まれていると思います。子供ではなく、現代に生きる人々に向かって語るつもりで書かれたのです。体験談は、日々追加されていくので、1001話を目指して超自然的ストーリーを考えてみようと思います。

挿絵(コラージュ) 岩本正寧

体験談はすべて、ビジョンによって成り立っているので、これを一枚の絵にまとめてみるのも面白いテーマだと考えました。夢でも現実でもない世界を表すには、現実の図像の断片を切り貼りして作るコラージュの手法がとても適しています。現実のイメージの断片で構成されながらも、全体は現実とは思えない超現実的世界の構築を意図しました。

了 2017/12/31




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